大磯町議会基本条例

大磯町議会基本条例

制定:平成21年7月29日 条例第14号
改正:平成25年2月26日 条例第2号

大磯町議会基本条例

 地方分権の時代を迎え、自治体の自己責任と自己決定の範囲が拡大し、二元代表制の一翼である議会が担う意思決定機関、行政の監視機関としての役割と責任は、これまで以上に重要なものとなってきた。

 このため、大磯町議会は、そのもてる機能を十分に駆使し、常に町長その他の執行機関(以下「町長等」という。)と対等で緊張ある関係を維持しながら、町民の代表機関として、町長等が行う事務を評価及び監視するに当たり、その立案、決定、執行等における論点及び争点を明確にする。

 また、積極的に町民へ情報発信することによって、町民と協働のまちづくりを推進し、議会の意思決定における説明責任を果たす必要がある。

 ここに我々は、公正で透明、開かれた議会を構築するため、議会運営の基本事項を定め、議会の役割と活動の指針を明確にすべくこの条例を制定する。この条例に定める議会運営のルールを遵守し、実践することによって、町民から信頼され、存在感のある豊かな議会を築くために不断の努力を惜しまないものとする。

 

(目的)
第1条 この条例は、地域主権の時代にふさわしい、町民に身近な自治体における議会及び議員の活動の活性化と充実のために必要な議会運営の基本的事項を定めることにより、開かれた議会を基本とした議事機関としての役割を果たすとともに、大磯町の町民の福祉の向上と持続的で豊かなまちづくりの実現に寄与することを目的とする。

(議会の使命)
第2条 議会は、町民を代表する議事機関として、町民全体の立場に立って、町長等の活動を監視するとともに、町民の福祉の向上と持続的で豊かなまちづくりの実現のために必要な政策を立案して決定し、推進しなければならない。

(議会の活動原則)
第3条 議会は、町民を代表する議事機関であることを常に自覚し、公平性、透明性、信頼性を重んじた町民に開かれた議会及び町民参加を推進する議会を目指して活動する。

2 議会は、前項の活動に当たっては、町民に必要な情報を提供し、その多様な意見を反映させるとともに、町民とともにまちづくりの活動を推進するため、町民参加と協働を基軸にした議会運営に努めなければならない。

(議員の責務)
第4条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討論の推進を重んじなければならない。

2 議員は、町政全般について、その課題並びに町民の意見及び要望を的確に把握するとともに、自らの能力を高め、町民の代表としてふさわしい活動をするものとする。

3 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。

(町民と議会の関係)
第5条 議会は、次に掲げる事項に留意し、町民の議会活動への参加を推進するものとする。

(1)議会の本会議、委員会及び議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を原則として公開すること。
(2)積極的な情報の公開及び提供に努めること。
(3)議会活動への参加を推進する際には、すべて町民が等しくその利益を享受できるよう配慮すること。

2 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)で定める委員会等のほか、町民及び議員が自由に意見及び情報を交換するため、一般会議を置くことができる。

3 議会は、町民から請願及び陳情が提出されたときは、これを町民の政策提案と受け止め、必要に応じて、町民の意見を聴く機会を設けることができる。

4 議会は、町民に対する議会報告会を開催して議会の説明責任を果たすとともに、町民の意見を聴取して議会運営の改善を図るものとする。

(町長と議会及び議員の関係)
第6条 議会の本会議における議員と町長等との一般質問は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行う。

2 議長から本会議、常任委員会又は特別委員会への出席を要請された町長等は、議員の質問に対し議長又は委員長の許可を得て、答弁に必要な範囲内で反問することができる。

(重要政策の審議等)
第7条 町長等は、総合計画その他重要な政策を策定しようとするときは、あらかじめ議会の意見を聴くよう努めなければならない。

2 町長等は、議会の議決を得るべき政策案を提案し、又は前項の規定に基づいて意見を聴こうとするときは、次に掲げる事項を明らかにしなければならない。

(1)政策等の発生源
(2)検討した他の政策案等の内容
(3)他の自治体の類似する政策との比較検討
(4)総合計画における根拠又は位置づけ
(5)関係ある法令及び条例等
(6)政策等の実施に係る財源措置
(7)将来にわたる政策等の維持管理を含めた財源計画

3 議会は、前項の政策等の提案を審査するに当たっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(議会の議決事件)
第8条 法第96条第2項に規定する議会の議決事件は、次のとおりとする。

(1)大磯町まちづくり基本計画に関すること。
(2)法第221条第3項の法人に対する出資及び町が出資することにより当該法人が同項の法人となる当該出資に関すること。

(議会における自由討議の拡大)
第9条 議会は、議員による言論の府であることを認識し、議員間の十分な討議を通じて、町政の監視評価、政策立案及び政策提言等を積極的に行うものとする。ただし、議長は、町長等の出席が必要と認めたときは、出席の要請を行うものとする。

(議会の組織)
第10条 議会は、社会経済の変化等により新たに生じる課題に迅速かつ柔軟に対応するため、委員会の設置並びに参考人及び公聴会の制度の活用に努めなければならない。

(政務活動費)
第11条 議員は、政務活動費を有効に活用し、積極的に調査研究を行うものとする。

2 議員は、政務活動費の使途基準に従い、これを適正に執行し、常に町民に対して使途の説明責任を負うものとする。
一部改正〔平成25年条例2号〕

(議会事務局の体制整備等)
第12条 議会は、議会又は議員の政策形成等の活動を支援するため、調査機関等としての議会事務局の体制を強化するよう努めなければならない。

2 町長等は、議会又は議員の政策形成等の活動を支援するため、財政措置、情報提供その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。

(議員の研修等)
第13条 議会は、議員の政策形成能力の向上等を図るため、議員の研修及び政策研究(以下「研修等」という。)の充実に努めるものとする。

2 町長等は、前項の規定による研修等の実施に協力するよう努めなければならない。

(議会広報の充実)
第14条 議会は、町政に係る重要な情報を議会独自の視点から、常に町民に対し周知するよう努めるものとする。

2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。

(議員の政治倫理)
第15条 議員は、町民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

(この条例の性格等)
第16条 この条例は、議会運営に関する最高規範であって、議会は、この条例で定める目的、原則等を実現するために必要な事項について条例、規則等を制定し、議会運営の仕組みを体系的に整備しなければならない。

2 議会は、議会運営がこの条例の目的、原則等に即して行われているかどうかを不断に点検し、必要があると認めるときは、この条例及び大磯町議会会議規則(昭和41年大磯町議会規則第1号)の改正その他必要な措置を講じなければならない。

附 則

この条例は、平成21年11月1日から施行する。

附 則(平成25年2月26日条例第2号抄)

(施行期日)
1 この条例は、平成25年3月1日から施行する。